『オーラルセックスが危険因子だった』性病,エイズ,ヘルペス,膀胱炎,コンジローマ,HIV,おりもの,クラミジアなどの症状でお悩み方へ。

オーラルセックスが危険因子だった

みなさんはNGUって知っているかな?
これは、Non Gonococcal Urethritis:非淋菌性尿道炎のことで、
男性の尿道炎の原因として、約70%を占めているとされています。
(もちろん淋菌性が30%なんだけどね。)
今回は、このNGUについての、これまでとは一味ちがった、知見が
発表されましたので、皆さんにお届けしましょう。(今回は長いです。)

記事:Medical Tribune     [2006年5月11日] 
〔ニューヨーク〕 メルボルン性保健センター(オーストラリア・メルボルン)の
Catriona Bradshaw博士らの新しい研究によると,
オーラルセックスは,
男性・女性双方に影響を与える最も一般的な性感染症の1つである
非淋菌性尿道炎(NGU)危険因子と考えられるという。
詳細はJournal of Infectious Diseases(2006; 193: 336-345)に発表。

Bradshaw博士らのこの研究は,現在仮説として取り上げられている
NGUの原因を,すべて同時に取り扱った初の大規模症例対照研究である。
今回の知見はNGUの原因に関する今後の研究領域の同定に役立ち,
また,治療法の決定が顕微鏡評価だけでなく疾患の臨床的特徴に
基づくものであるべきことを示唆している。
また,他の男性と性的関係を持つ男性におけるNGUの原因が,
異性愛者の男性のそれと同様であることを初めて立証したものである。

NGUは多種の微生物(最も代表的なものはChlamydia trachomatis)により引き起こされ,
骨盤内炎症性疾患,不妊症,慢性骨盤痛に至る場合もある。
NGUの原因が既知のこともあり,一般的に抗菌薬(アジスロマイシンや
テトラサイクリン)が有効であるが,症例の約半数は原因が確認できず,
医師患者にとり治療はストレスが多い半面,不確実なものになる。
以前の研究で,NGU症例の30~50%C. trachomatis10~30%
Mycoplasma genitaliumにより引き起こされることが明らかにされている。

今回の研究では,2004年 3 月~05年 3 月に,NGU男性患者329例
尿道炎の症状が認められない男性307例を対象とした。
全例に性行為に関する質問票を渡し,尿道スミアの実施と初期尿標本の
採取を行い,NGUの原因と考えられる病原菌の検査を行った。

クラミジア感染症は異性愛NGU患者男性同性愛NGU患者の双方に
一般的で(それぞれ22%15%),対照群と比べて感染率が高かった。
C. trachomatisM. genitalium避妊手段を取らなかった
腟性交
との関連が認められた。
年齢とリスク補正後,対照群と比べてNGU患者群では
M. genitalium( 9 %)
アデノウイルス( 4 %)
単純ヘルペスウイルス 1 型(HSV-1,2 %)
の頻度が高く,これら微生物がNGUの原因であることが示唆された。

アデノウイルスHSV-1は,オーラルセックス男性パートナー間での性交と関連が認められ,このことから口腔‐生殖器の接触
NGU病原菌伝播の重要な機序であることが示唆された。
さらに,NGUは新たなパートナーとのオーラルセックス歴と関連が
認められた。これら知見を合わせて考えると,フェラチオ
この症候群の原因として少なからぬ役割を果たしていることが示唆される。

バッテル公衆衛生研究評価センターとワシントン大学(ワシントン州
シアトル)のH.Hunter Handsfield博士は同誌の付随論評(2006; 193:
333-335)で,Bradshaw博士らの知見はこの分野に多大な進展を
もたらすもので,画期的なこの研究を優れた段階的進歩と評価したが,
今後解明すべき重要な課題が多数残されていると付け加えている。

今回の研究は,NGU男女のパートナーにより共有された場合は,
無害な微生物により引き起こされることを示唆しており,
異性愛男性と男性同性愛男性の双方に関して重要な洞察を示すものだ。
Handsfield博士によると,この知見はパートナーの臨床管理や
カップルのカウンセリングに影響を与えると考えられる。
さらに,オーラルセックス病原菌が検出されないNGUと関連が
認められ,このことからまだ確認されていないNGUの原因があること
が示唆される。

今回の研究は,
(1)通常は口腔ヘルペス(単純疱疹)を引き起こすHSV-1が,HSV-2よりもNGUの原因となることが多かった
(2)ヘルペス性NGUはフェラチオと関連する頻度が最も高かった
(3)既知の病原菌と関連が認められたNGU症例の 3 分の 1 までが,尿道分泌物中の白血球数増加を伴わなかった-ことも明らかにした。


どうでしょうか?わかりにくい部分もありましたが、まとめると、
①NGUの原因としては、以下のものが多い。
 C. trachomatis
 M. genitalium
 アデノウイルス
 単純ヘルペスウイルス 1 型
② ①で示した病原体を、少々乱暴かもしれないが、2つに大別すると、
 C. trachomatisとM. genitaliumは、コンドームをしない、
 通常の膣性交によって感染しやすい。(肛門性交も)
 アデノウイルスと単純ヘルペスウイルス 1 型はフェラチオによって
 感染しやすい。
 こんな感じになるかな。
③NGUの原因には、未知の病原体によるものが、常に考えられて
 いるが、そういったものの感染原因はフェラチオによる可能性が高い。
④特に新しいパートナーとのオーラルセックスは、NGUの危険性を
 増加させる。
⑤性器に感染するヘルペスは、主に2型と思われていたが、
 普通に考えられているのとは、異なった、NGUという形式で、
 1型のものが、フェラチオにより感染してくる。

以上のようになります。
それにしても、今回のこの発表は、我々が普段行っている
NGUの診断と治療のあり方を、根底から覆してしまう要素を
含んでいます。僕としても、これらの知見を取り入れた方法論の
確立を目指したいと思います。
最後になりますが、地球上の生物の中で、いわゆるオーラルセックス
をするのは、我々、人類だけです。この、高度に発達した霊長類は、
お互いに愛し合う時、より大きな歓びと快楽を得るため、自然と
この方法を用いるようになりました。ただ、どういうわけか、神は、
この行為の中に、まだ我々が知りえないものも含む、数々の
病原体をそっと忍びこませました。 
もしかすると、神は、我々人類の性のあり方について、快く思われて
いないのかも知れません。


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投稿者 性行為感染症対策室 : 2006年05月23日

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